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派遣社員に何かあったら…?派遣先が知っておくべき法律のキホン

沖縄で派遣労働者を受け入れている企業の皆様、派遣労働者に対しても**男女雇用機会均等法(以下「均等法」)、育児・介護休業法(以下「育介法」)、労働施策総合推進法(以下「労推法」)**が適用されることをご存知でしょうか?

これらの法律は、派遣労働者の権利を守り、職場環境の公平性を確保するために、守るべき重要な規定を含んでいます。

 

1. 妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止(均等法第9条第3項)

派遣先は、派遣労働者が妊娠・出産・産休取得等を理由として不利益な取扱いを行うことは禁止されています。例えば、

  • 妊娠を理由に契約更新を拒否する

  • 妊娠や出産を理由に業務を変更する

  • 産休・育休取得後の職場復帰を妨げる

派遣労働者も正社員と同じ権利を持ちます。この点に注意が必要です。

 

2. 育児・介護休業の取得を理由とする不利益取扱いの禁止(育介法)

派遣先は、育児休業や介護休業の取得を理由に不利益な扱いをすることが禁止されています。

  • 派遣労働者が育休を申請したことで契約を打ち切る

  • 介護休業を取得した派遣労働者の契約更新を拒否する

  • 育児・介護休業取得者を降格させる

育児・介護休業は、法律で認められた権利です。派遣労働者の申請を適正に対応することが求められます。

 

3. 職場のハラスメント防止措置の義務(均等法・育介法・労推法)

派遣先は、セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメント、パワーハラスメントの防止措置を講じる義務があります。

  • セクシュアルハラスメント(均等法第11条)

  • 妊娠・出産に関するハラスメント(均等法第11条の3)

  • 育児・介護休業等に関するハラスメント(育介法第25条)

  • パワーハラスメント(労推法第30条の2)

職場のハラスメント対策をしっかりと整備することで、従業員の働きやすい環境を作りましょう。

 

4. 妊娠中及び出産後の健康管理措置(均等法第12条)

派遣先は、妊娠中および出産後の派遣労働者に対し、健康管理に関する適切な措置を講じる義務があります。

  • 定期的な健康診断の受診を促す

  • 主治医の指導に基づく勤務時間の調整

  • 必要に応じた休業措置の提供

これらの措置を講じることで、働く女性を支える環境を整えられます。

 

5. 派遣労働者の性別を特定する行為の禁止

派遣先は、「女性のみ」や「男性のみ」といった性別を特定する条件を設けることは違法です(労働者派遣法・職業安定法・均等法)。

例えば、「女性の派遣労働者のみを希望する」といった条件を提示することは均等法の趣旨に反し、厳しく規制されています。沖縄の企業でも、適切な求人募集を行うことが求められます。

 

まとめ

派遣労働者の法的な保護をしっかりと理解し、均等法・育介法・労推法の適用を意識した適切な雇用管理を行うことが求められます。

「派遣だから…」ではなく、すべての労働者が公平に働ける環境を整備することが、企業の責務であり、働きやすい職場づくりにもつながります。