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離婚しても年金は“わけられる”―知らなきゃ損する年金分割の制度とは?

離婚時の年金分割制度は、夫婦の一方が婚姻期間中に厚生年金や共済年金に加入していた場合に、その年金記録を分割し、公平に分配できる仕組みです。本記事では、年金分割の種類や手続き方法について解説します。

 

 

1. 沖縄の離婚率と年金分割の重要性

沖縄県は全国的に見ても離婚率が高い地域の一つであり、特に若年層の離婚が多いとされています。厚生労働省の統計によると、沖縄県の離婚率は全国平均を上回る傾向が続いており、その背景には経済的要因や家庭環境などが挙げられます。

このような状況を踏まえると、離婚後の生活設計の一環として年金分割制度を活用することが、特に重要となります。老後の年金受給額は生活の安定に直結するため、制度の詳細を把握し適切に手続きを進めることが大切です。

 

2. 年金分割の種類

年金分割には、大きく分けて以下の2種類があります。

(1) 合意分割

夫婦間での合意に基づいて、厚生年金・共済年金の記録を最大50%まで分割する制度です。離婚後2年以内に手続きを行う必要があります。合意が得られない場合は、家庭裁判所の審判や調停が必要になります。

(2) 3号分割

第3号被保険者(主に専業主婦(夫))が対象となる制度で、婚姻期間中の厚生年金・共済年金の保険料納付記録のうち、会社員・公務員である配偶者(第2号被保険者)が負担した部分の半分を自動的に分割できる仕組みです。合意は不要で、離婚後2年以内に手続きを行えば適用されます。

 

3. 年金分割の対象とならないもの

以下の年金制度や給付は年金分割の対象外となります。

  • 国民年金(基礎年金)

  • 厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金

  • 遺族年金、障害年金

4. 年金分割の手続き方法

(1) 年金分割のための情報提供請求

離婚前に「年金分割のための情報提供請求」を行い、分割の対象となる年金記録を確認します。年金事務所または共済組合に請求できます。

(2) 分割の申し立て

  • 合意分割の場合、夫婦間の合意または裁判所の決定が必要です。

  • 3号分割は配偶者の合意不要で、申請するだけで適用されます。

(3) 年金事務所での手続き

離婚が成立した後、必要書類を年金事務所に提出し、分割の申し立てを行います。必要な書類は以下の通りです。

  • 年金分割のための情報通知書

  • 戸籍謄本(離婚日が記載されているもの)

  • 本人確認書類(運転免許証など)

  • 年金手帳または基礎年金番号通知書

5. 申請期限に注意

年金分割の手続きは、離婚成立から 2年以内 に行う必要があります。期限を過ぎると分割が認められなくなるため、早めに準備を進めましょう。

 

6. まとめ

 

離婚時の年金分割は、老後の生活に大きく関わる重要な手続きです。特に、3号分割は合意不要でスムーズに手続きできますが、合意分割は夫婦間での交渉が必要になる場合があります。沖縄県では離婚率が高いため、離婚後の生活設計の一環として年金分割を活用し、安定した将来設計を考えることが重要です。離婚を検討している方や既に離婚した方は、年金事務所で詳細を確認し、忘れずに申請を行いましょう。