
職場でのトラブルは、働く人々にとって大きなストレスとなることがあります。パワーハラスメント、不当な待遇、育児休業の取得拒否など、さまざまな問題が発生する可能性があります。こうした問題を解決するために、厚生労働省では「紛争解決援助制度」と「調停制度」を提供しています。
紛争解決援助制度とは?
都道府県労働局長による援助 この制度では、労働局の担当者が労働者と事業主の間に入り、問題解決のための助言や指導を行います。例えば、
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性別による差別的取扱い(昇進・昇格、採用など)
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育児・介護休業の取得拒否
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パート・有期雇用労働者の不当な待遇
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パワーハラスメントの防止措置が不十分 など
行政が中立の立場で問題を整理し、円満な解決へ導く役割を果たします。
調停制度とは?
労働問題の専門家が調停 調停委員(弁護士、社会保険労務士、大学教授など)が当事者双方の意見を聴取し、公正な解決案を提案します。調停案は法的効力を持ち、当事者が合意すれば和解が成立します。
実際の解決事例
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育児休業後の職種変更問題
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営業職で採用された労働者が、育休復帰後に事務職への異動を強要されたケース。労働局が介入し、元の営業職での復帰が認められました。
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契約社員の不合理な通勤手当
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正社員には全額支給される通勤手当が、有期雇用労働者には上限額が設定されているケース。労働局が不合理な待遇差と判断し、正社員と同様の支給を指導。
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まとめ
裁判に頼らず、無料で利用できるこれらの制度は、迅速かつ公正に職場のトラブルを解決する手段です。「不当な扱いを受けているかもしれない」と感じたら、一度労働局に相談してみるのもよいでしょう。