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社員の満足度も生産性もUP!フレックスタイム制の賢い使い方

1. フレックスタイム制とは?

フレックスタイム制とは、労働者が始業・終業時刻を自由に決められる労働時間制度です。一定の「清算期間」内で総労働時間を満たすことが求められ、企業側は労働時間管理を柔軟に行うことができます。労働基準法第32条の3に基づき、労使協定の締結が必要です。

2. フレックスタイム制のメリット

(1) 労働者のメリット

  • ワークライフバランスの向上:通勤ラッシュを避けたり、家事・育児と両立しやすくなる。

  • 生産性の向上:自分の集中しやすい時間帯に働くことで、効率を高められる。

(2) 企業のメリット

  • 業務の柔軟化:社員の多様なライフスタイルに対応し、優秀な人材の確保につながる。

  • 残業の削減:業務量に応じて労働時間を調整できるため、長時間労働を防げる。

3. フレックスタイム制の導入のポイント

(1) 適用範囲の設定

  • 全社員に適用するか、一部の部署や職種に限定するかを決定。

  • 業務特性上、適用が難しい業務(シフト制、接客業務など)は慎重に検討。

(2) コアタイムとフレキシブルタイムの設定

  • コアタイム:必ず勤務すべき時間(例:10:00~15:00)

  • フレキシブルタイム:出勤・退勤を自由に決められる時間(例:7:00~10:00、15:00~19:00)

(3) 清算期間の決定

  • 1か月以内の清算期間であれば、労基署への届出不要。

  • 1か月を超える場合(最大3か月)は、労使協定の届出が必要。

(4) 労働時間の管理方法

  • 勤怠管理システムを導入し、適切な労働時間管理を行う。

  • 労働時間の超過や不足がないよう、定期的に確認する。

(5) 労使協定の締結

  • 以下の項目を明確にし、労使協定を締結する。

    • 適用範囲

    • 清算期間の設定

    • コアタイム・フレキシブルタイムの設定

    • 総労働時間の管理方法

4. フレックスタイム制の成功事例

実際に導入している企業では、

  • IT企業:社員の裁量を増やし、リモートワークと組み合わせて生産性を向上。

  • メーカー:研究開発職に適用し、自由な発想を促進。

5. まとめ

フレックスタイム制は、企業・労働者双方にメリットがある制度ですが、適切な管理が不可欠です。導入前に労使間で十分な協議を行い、業務特性に合った形で柔軟に運用することが重要です。