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【令和7年度】STOP!熱中症 クールワークキャンペーンがスタート

~2025年6月義務化ともリンク!職場の命を守る対応、できていますか?~

こんにちは。沖縄の社会保険労務士・玉城です。

2025年6月から、「熱中症対策の義務化」がスタートします。
それに先立ち、厚生労働省では毎年恒例となった「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を今年も実施。
期間は2025年5月1日~9月30日(4月は準備期間/7月は重点取組期間)です。

実はこのキャンペーン、法改正とのリンクも意識しておくべき重要な施策
本記事では、これからの熱中症対策の「実務に役立つポイント」をわかりやすく解説します。

 

 

◆ 【再確認】2025年6月から熱中症対策が“義務化”されます

2025年6月以降、「暑さ指数(WBGT)に基づいた対策」や「熱中症の予防教育」「冷房・休憩スペースの整備」などが、労働安全衛生規則に明記される形で法的義務になります。

すでに当事務所のブログでも詳しく解説しています👇
🔗2025年6月施行 熱中症対策の義務化について(2025年3月20日公開)

このクールワークキャンペーンは、その実践編と捉えてもらってOKです。

 

◆ 令和6年の熱中症発生状況(速報値)

厚労省の資料によると、令和6年の熱中症による死傷者数は以下の通り

  • 死傷者数:1,195人(うち死亡者30人)

  • 業種別では建設業・製造業・運送業が全体の4割超

  • 発症のピークは7月・8月(全体の約8割)

  • 年齢層では50歳以上が約半数

暑さに慣れていない新入社員や、持病を抱える中高年の従業員は特に注意が必要です。

 

◆ クールワークキャンペーンの重点対策(企業がすべき3つのこと)

厚労省が企業に強く求めているのは、以下の3点です

① 暑さ指数(WBGT)の把握と対応

  • 気温だけでなく湿度や風も含めた暑さ指標

  • 専用機器で実測、JIS規格に合った機器の使用を推奨

  • WBGTに応じた作業中止・休憩・冷却対策を実施

▶ WBGTが28℃以上であれば、こまめな休憩や服装の見直しが必要です。

② 異常時対応マニュアルと教育体制の整備

  • 熱中症の兆候が出たとき、すぐに冷やす・搬送するための体制を

  • 搬送先の医療機関や連絡先も朝礼や掲示板で周知

  • 「自分で気づけない」ことを前提に、周囲が気づく仕組み作り

③ 持病や年齢に応じた個別配慮

  • 糖尿病・高血圧などの持病がある方には、医師の意見を参考にした業務調整を

  • 「年齢によるリスク差」もあり、50代以降は特に注意が必要

◆ 沖縄の現場は要注意!地域特性を踏まえた対策を

  • 5月からすでに真夏日が続く沖縄では、4月中の準備がカギ

  • 屋外作業・交通・警備・福祉施設など、あらゆる業種が対象

  • 冷房のある休憩所確保、冷却グッズ、WBGT計の整備は急務

◆ 情報と資料は厚労省ポータルサイトで無料入手できます!

  • 「熱中症予防スイッチ・オン」動画や研修教材

  • 「作業別の熱中症リスク判定チャート」など現場で使えるツールも充実

🔗 ポータルサイト:
https://neccyusho.mhlw.go.jp/

 

◆ まとめ:熱中症対策は“命を守る企業姿勢”の表れです

  • 熱中症は適切な対策と対応で防げる災害です

  • 2025年6月からは法的義務として、企業に対策が求められます

  • 「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」はその実践ツールです

  • 沖縄の企業は特に、準備を“早め・丁寧に”行うことがカギ

「うちは大丈夫」ではなく、“何かあったときに守れる体制があるか”を今、見直してみてください。

 

必要であれば、社内研修用の資料作成や制度設計のご相談も承っています。
従業員の安心と安全のために、一緒に取り組んでいきましょう!


このコラムを書いている人

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玉城 翼(たまき つばさ)

社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士

1982年沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。

2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。

▶コラム: 私が社労士になった理由