
こんにちは。
沖縄の社会保険労務士、つばさ社会保険労務士事務所の玉城翼です。
最近、「障害年金を申請したけれど、支給されなかった」「働けない状態なのに、どうして認められないのか?」
そんな声を耳にすることが多くなってきました。
この記事では、精神・発達障害で障害年金を申請する際に何が起きているのか、最新の報道事例を交えてわかりやすく解説します。
また、沖縄で申請を検討している方やご家族向けに、注意しておきたいポイントもご紹介します。
🌱 障害年金とは?
障害年金とは、病気やケガにより生活や仕事に支障がある方に支給される公的年金制度です。
高齢者向けではなく、20代・30代の方でも対象になります。
支給を受けるには、以下の要件が必要です:
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初診日の確認(※初診日が国民年金か厚生年金かで受給内容が変わります)
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保険料の納付要件(直近1年間未納がないなど)
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「障害の程度」を示す診断書や生活状況の記載
特に精神疾患の場合、「日常生活にどれほど支障があるか」が重視されます。
🔍 報道事例:うつ病と発達障害のある女性が「不支給」に…
2024年4月11日付のYahoo!ニュース(共同通信)では、障害年金の申請が認められなかった事例として、うつ病と発達障害を抱える20代女性のケースが紹介されました。
高校時代のいじめや、出産後にお子さんを亡くすという深い悲しみから、精神的に不安定となり、うつ病を発症。
仕事も続けられず、現在は訪問看護を受けながら実家で暮らしています。
自立のために障害年金の受給を希望し、社会保険労務士に依頼して申請。
主治医の診断書では障害等級2級相当との見解がありましたが、結果は「不支給」。
理由の一つとして、日本年金機構は「抗うつ薬が処方されていない」ことを挙げました。
実際には、過去に薬の過剰摂取(オーバードーズ)の経験があり、再発への不安から申請当時はあえて服薬を控えていたとのこと(現在は服薬再開済み)。
それにもかかわらず、「薬を使っていない=症状が軽い」と判断されたのです。
申請をサポートした社会保険労務士も「これだけ重いケースが通らないのはおかしい」とコメントしており、全国でも同様の報告が増えているとされています。
📊 不支給率が2倍に?専門家による調査データ
全国の障害年金に詳しい社会保険労務士による独自調査では、以下のような傾向が明らかになっています:
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2023年(1月〜12月):精神・発達障害による不支給率 2.2%
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2024年(1月〜7月):同条件で 4.4% に上昇(2倍)
制度そのものが変わったわけではありませんが、実務上の運用が厳格化している可能性があると、現場では見られています。
実際、診断書に加え、カルテの開示や主治医への追加照会を求められるケースも増えています。
※出典:
『「あなたの年金申請は認められません」うつ病女性の涙 精神・発達障害で不支給が2倍増?ナゾを追った』
(Yahoo!ニュース/共同通信 2024年4月11日配信)
https://news.yahoo.co.jp/articles/b44bb28452ec3cfbf3a9241c8743c48c049609d0
⚠ なぜ厳しくなっているのか?〜審査の「ブラックボックス」問題〜
障害年金の審査は、日本年金機構本部が行い、判定医と呼ばれる医師1人が書類をもとに判断します。
申請者本人と面談することはなく、完全な「書類審査」です。
精神・発達障害のように、数値で測れない症状では、判定医の知識や経験、価値観によって差が出やすいという課題があります。
さらに、以下の点が不透明とされています:
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判定医の専門分野や経験が非公開
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職員による「事前判定」が影響している可能性
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審査基準が50年以上更新されていない
こうした現状に対し、「審査がブラックボックス化している」との批判も根強くあります。
🧩 申請前に気をつけたい3つのポイント
障害年金を申請する前に、以下の点に注意しましょう:
1. 診断書の内容
主治医に「生活の困難さ」までしっかり伝えることが重要です。
単に「病名」だけでなく、「どんな支障があるか」を具体的に記載してもらう必要があります。
2. 病歴・就労状況等申立書
申請者本人が作成するこの書類には、就労状況や日常生活の困難さを具体的に記載します。
ここで伝えられる情報が、診断書の裏付けになります。
3. 社労士など専門家のサポート
専門家に相談することで、書類の不備や申請ミスを防ぐことができます。
実績のある社労士に一度相談してみるのが安心です。
🌺 沖縄で障害年金を申請したい方へ
私たちつばさ社会保険労務士事務所では、沖縄県内を中心に、精神疾患や発達障害をお持ちの方の障害年金申請をサポートしています。
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初回相談:無料(60分)
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オンライン対応・訪問対応可能
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強引な営業や契約は一切ありません
「自分の状態で年金が出るのか不安」
「主治医にうまく伝えられない」
そんなお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。
✅ まとめ
障害年金の申請は、見えにくいハードルがいくつもあります。
特に精神障害の場合、「症状が軽く見られてしまう」ことで、不支給につながることもあります。
ですが、正しい情報と準備があれば、可能性は大きく広がります。
あきらめる前に、まずは一度、専門家に相談してみてください。
このコラムを書いている人

玉城 翼(たまき つばさ)
社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士
1982年沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。
2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。
▶コラム: 私が社労士になった理由