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【2025年最新版】副業・兼業の法改正議論スタート!企業が押さえるべき3つの視点とは?

こんにちは。
沖縄の社会保険労務士、つばさ社会保険労務士事務所の玉城です。

2025年2月の労働政策審議会労働条件分科会では、「副業・兼業」を含む労働基準法の見直しに向けた本格的な議論がスタートしました。

 

2025年2月28日 第194回労働政策審議会労働条件分科会 議事録(厚生労働省)

 

今後の制度改正は、働き方の選択肢を広げる一方で、企業側にも対応が求められる場面が増えることが予想されます。

今回は、「副業・兼業」に関する最新動向を押さえつつ、沖縄の企業が今から意識すべきポイントを3つに整理して解説します。

 

✅副業解禁、次のステージへ

厚労省の調査によれば、副業・兼業を希望する人の割合は増加傾向。特に若年層や子育て中の世代に多く見られます。
一方で、企業側の受け入れはまだ慎重な姿勢が根強く、労働時間管理労災補償のあり方を巡って、実務上の課題が山積しています。

審議会では今後、次のような検討が行われる見込みです:

  • 労働時間通算の考え方(複数事業所の就労合計)

  • 安全配慮義務の境界線

  • 深夜労働や連続勤務の制限との関係

🔍企業が現時点で押さえておくべき3つのポイント

副業を「禁止」する理由があるか?を明確に

副業を全面禁止すること自体は違法ではありませんが、「業務への支障」「機密保持」などの合理的な理由が必要です。
一律禁止ではなく、許可制/届出制とする企業も増えています。

▶ 就業規則に「副業・兼業に関する規定」がありますか?
▶ 副業の可否を、あいまいにしていませんか?

労働時間の通算ルールと健康確保

労働基準法では「同一労働者が複数の事業所で働く場合、労働時間は通算」とされています。
そのため、たとえば本業で8時間、副業で5時間働いていた場合、「時間外労働」としての取り扱いが問題になります。

▶ 副業をしている従業員の労働時間、把握できていますか?
▶ 過重労働のリスクをどうコントロールしていますか?

労災補償・社会保険の取り扱い

労災は「災害が発生した就業先」が責任を負いますが、健康障害が副業と本業の両方に関係している場合、判断が難しいケースも。
今後の法改正ではこのあたりも論点になると考えられます。

▶ 副業先での事故にどう対応すべきか、事前に検討していますか?
▶ 健康診断やメンタルヘルス対応の体制は十分ですか?

 

📌沖縄の中小企業こそ「ルール整備」がカギ!

沖縄の企業は少人数で運営しているところが多く、「副業されると困る」という声も聞きます。でも実は、ルールがないことがリスクを生む時代です。

副業・兼業を認めるにせよ、制限するにせよ、「就業規則」で明文化し、社員との認識をそろえることが、これからの企業防衛になります。

 

✍副業規定の見直し、ご相談ください!

つばさ社会保険労務士事務所では、副業・兼業に対応した就業規則の整備支援を行っています。

  • 他社の事例に基づいたアドバイス

  • 社員説明資料の作成サポート

  • 労務管理の観点からのリスク分析

など、実務に即した対応が可能です。

「何から手をつけたらいいのか分からない…」という場合でも、お気軽にご相談ください。

📞 初回相談60分無料|オンライン・訪問対応可(沖縄県全域)

 

📝まとめ

副業・兼業が広がるなかで、企業としては次の3点を意識することが重要です。

まず、副業を禁止するのか、認めるのかを明確にし、その理由や条件を就業規則に落とし込むこと。
次に、労働時間の通算や健康確保への配慮。副業をする従業員が過労にならないよう、実態把握がカギになります。
そして、労災や社会保険の取り扱いも念頭に置き、トラブル時の対応方針を検討しておくことが求められます。

今後の法改正を見据え、企業としても「副業・兼業時代」に向けた備えを進めておくことが、トラブル予防や人材定着につながっていくでしょう。


このコラムを書いている人

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玉城 翼(たまき つばさ)

社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士

1982年沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。

2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。

▶コラム: 私が社労士になった理由