こんにちは。
つばさ社会保険労務士事務所の玉城翼です。
政府は今月、「就職氷河期世代」への支援を再強化する方針を発表しました。石破首相が関係閣僚会議の設置を明言し、6月には新たな支援策の骨子をまとめる予定です。
今回は、このニュースをもとに、沖縄県内の企業としてどんな対応が求められるのかを一緒に考えてみたいと思います。
🔍 「就職氷河期世代」とは?
1990年代半ばから2000年代初頭にかけて、新卒での就職が極めて困難だった世代を指します。バブル崩壊後の不況期に重なり、正社員の採用枠が極端に狭まり、多くが不本意な非正規雇用や長期の無業状態を経験しました。
政府の推計では、現在でも約100万人が支援を必要とする状態にあるとされています。
実は、私自身も就職氷河期世代です。
大学生の頃は「就職できないのが当たり前」という空気があり、どれだけ頑張っても正社員として採用されない…という状況でした。
当時は、希望よりも“どこかに入れればラッキー”という感覚だったのを覚えています。
だからこそ、今の若い人たちの就職環境を見ると、正直うらやましく感じることもあります。
そんな背景があるからこそ、この世代への支援が強化されるというニュースは、個人的にも非常に心に響きます。
🏛 政府の支援策(2025年)
政府は、以下のような支援を軸に施策を進める予定です。
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就労支援の強化
・ハローワーク等での伴走型支援
・ビジネスマナーやコミュニケーション講座の実施 -
リスキリング(学び直し)支援
・資格取得やデジタルスキル習得の支援 -
生活基盤のサポート
・住宅確保、家計改善、老後資金対策など -
プッシュ型の情報提供
・本人に直接届く支援情報の発信
🏢 ハローワークのサポートも充実
現在、ハローワークでは「就職氷河期世代専門窓口」を設け、手厚い就労支援を行っています。
実際に、就労体験プログラムや職場体験、マンツーマンでの支援など、丁寧なサポートが受けられる体制が整っています。
沖縄県内でもこうした窓口を設けているハローワークがありますので、「なかなか就職に踏み出せない」「何から始めればいいか分からない」という方は、まず相談してみるのもおすすめです。
👉 参考:厚生労働省「就職氷河期世代活躍支援サイト」
https://www.mhlw.go.jp/shushoku_hyogaki_shien/review/
🏝 沖縄企業に求められる視点
沖縄でも人手不足が深刻化しており、特定の年代にこだわらない採用のあり方が問われています。
就職氷河期世代は、働く意欲やポテンシャルを持ちながらも、過去の社会情勢によってチャンスをつかめなかった方が多いです。
🌱 沖縄企業ができること
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未経験・ブランク可の求人を出す
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安心して定着できる職場づくり
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年齢を問わない評価制度の導入
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地域の子どもたちに“働く楽しさ”を伝える取り組み
今、すごく人手不足というのが叫ばれている状況の中で、関係機関と連携しながら就職氷河期世代の採用に積極的に舵を切るというのは、企業にとっても有効な戦略です。
💡 社労士として伝えたいこと
就職氷河期世代の支援は、単なる“救済策”ではなく、多様な人材を活かす社会づくりの第一歩だと考えています。
企業側の姿勢ひとつで、人が活き、組織が変わり、地域が元気になります。
「年齢」ではなく「今、何ができるか」という視点で、ぜひこの世代にも目を向けてみてください。
🌈 まとめ
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政府が就職氷河期世代への支援を強化へ
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リスキリング、生活支援、就労支援を軸に施策を構築中
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沖縄の企業も柔軟な採用姿勢が求められる
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ハローワークでも専門窓口での支援あり
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将来世代への投資と合わせて、今の人材活用がカギ
💬 採用支援や助成金活用のご相談は、つばさ社会保険労務士事務所までお気軽にどうぞ!
このコラムを書いている人

玉城 翼(たまき つばさ)
社会保険労務士/1級FP技能士/キャリアコンサルタント/宅地建物取引士
1982年沖縄県宜野湾市出身。大学時代より地域貢献に関心を持ち、卒業後は販売・イベント・不動産業務など多分野を経験。その後、労務管理やキャリア支援に従事し、実務を通じて社会保険労務士を志す。
2021年より総務部門を統括し、給与計算・労務管理・制度改定・電子申請導入など業務改善を推進。社労士試験に一発合格し、2025年「つばさ社会保険労務士事務所」設立。地域の中小企業を支えるパートナーとして活動中。
▶コラム: 私が社労士になった理由